のんびり村医者~徐さんの幸せな人生~

「甥の嫁に家に戻って介護人をやってくれと頼まれて……」
「そんなバカな話があるか！」
私は思わず声を荒げた。今日は息子の家に来て、孫の世話をしているところだった。
「お母さん、どうしたの？」
息子の妻が台所から顔を出した。
「ああ、何でもないよ。ちょっと思い出し話をね」
私は苦笑いを浮かべながら答えた。それから携帯電話を取り出し、さっき届いたメッセージをもう一度見た。
「叔母さん、こんにちは。私です、李明の嫁です。実は叔母さんにお願いがあって……お義父さんの具合が良くなくて、誰かに看病してもらう必要があるんです。叔母さんは看護の経験もあるし、今は定年退職されてるでしょう？私たち夫婦は仕事が忙しくて、子供の世話もあるし……叔母さんが戻ってきて、お義父さんの面倒を見てくれたら、生活費はちゃんと出すから……」
この「生活費」という言葉を見て、私は思わず冷ややかに鼻を鳴らした。
季家の老屋敷は私の実家だ。父が亡くなった後、弟がそこに住み続けた。弟の息子・李明が成長して結婚した後、その嫁がやってきて、何かと理由をつけては私たち姉妹を遠ざけた。
特に私は十年前に夫を亡くし、その後息子の家に引っ越した。あの家にはもう足を踏み入れていない。
「お前たちが老屋敷を乗っ取った時は、私を追い出すようにせかせかとしてたくせに、今になって私を呼び戻して、ただの介護人にしようってか？」
私は冷笑を浮かべた。
「お母さん、本当に大丈夫？」
息子の妻がまた声をかけてきた。
「ああ、何でもないよ。ちょっと腹が立つことがあってね」
「何かあったの？」
「実家のことだよ。弟の息子の嫁から連絡があってね。お父さんの具合が悪くなったから、私に戻ってきて看病してくれって」
「え？それって……」
息子の妻は明らかに驚いていた。私たち家族は皆、あの家の事情を知っている。
「そうだよ。あの時は私たち姉妹に『老人は若い夫婦の生活に干渉すべきじゃない』と言って、私たちを追い出したくせに。今になって父の具合が悪くなったら、私を呼び戻して介護人にしようって言うんだから」
「それって、あんまりじゃない？」
「そうなのよ」
私は携帯電話を置いた。
「返事はどうするの？」
「返事なんてしないわ」
私はそう言いながらも、心の中では複雑な思いが渦巻いていた。弟は何も悪くない。彼の息子も、ただ妻に言われるがままなだけだ。本当に悪いのは、あの欲深い嫁だけ。
しかし、弟の具合が悪いというのは本当だろうか？もし本当なら……
「お母さん、やっぱり一度様子を見に行った方がいいんじゃない？」
息子の妻が優しく言った。
「そうね……」
私はため息をついた。「明日、ちょっと行ってみるわ」