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871話

拳に罡気を纏わせれば、鋼板さえも貫くことが可能だ。

馮卓凱はそのような一撃を寒夢に向かって放った。だが彼はこの少女に無理をさせたくなかったため、心臓を狙うのではなく、寒夢の肩を狙って拳を繰り出した。

こうすれば、仮に寒夢がこの一撃を防げなくても、少なくとも受けるダメージはそれほど大きくはならないだろう。

馮卓凱は寒夢に殺意を向けるつもりはなかった。この寒夢は、老徐を追い詰めたのは間違いだが、見たところ悪賢い小人という感じでもなかった。

馮卓凱は当初、寒夢が自分の拳を避けると思っていたが、予想外にも、寒夢は避けるどころか両手を合わせ、馮卓凱の拳に包み込むように受け止めた。そして馮卓凱の拳を包み込...