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852話

しかし徐老は念のため、周囲から枯れ枝とトゲを集め、自分が通った場所に無造作に置いていった。見た目には、それがもともとそこにあったかのように見える。

これで徐老は確信した。あの女は必ず二本の大木の間を通らなければならないだろう。

寒夢は少し憂鬱だった。徐老たち数人を片付けるのは簡単だと思っていたのに、徐老の配下の三人に十秒も足止めされるとは予想していなかった。

そのわずか十秒の間に、あの徐老はウサギのように森の中に逃げ込んでしまったのだ!

この徐老、なんてずる賢いんだ?

森林については、寒夢は訓練でそういった環境も経験していたが、この県の郊外の森は全く土地勘がなかった。

しかし、よう...