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454話

老徐は退屈そうにリビングでしばらくテレビを見ていたが、劉欣冉は降りてこず、外では大雨が雷鳴とともに降り続けていた。

老徐はしばらく考えてから、やはり周建国に電話をかけることにした。村のことはやはり気になっていたのだ。

「もしもし、建国」

「ああ、老徐か。ちょうど電話しようと思っていたところだ。この天気だ、河川敷の方で問題が起きないか心配でね!」周建国は村長を長年務めているが、村で洪水が起きたことはなかった。

しかし周建国は覚えていた。三十数年前、村では大きな洪水があったことを。あの時は、村の田んぼの大半が水に浸かってしまった。

川岸に近い数軒の家のうち、老徐の家だけは地盤が少し高かったため被害...