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1097話

間もなく、老徐は銭大舌頭と一緒に出てきた。

二人が出てくるやいなや、皆が少し驚いた。というのも、老徐が出てこられるとは、群衆の誰も予想していなかったからだ。

しかし、老徐の手にはまだ手錠が掛けられていた。彼は手錠を高く掲げ、皆に向かって手を振った。すると、人々は思わずカメラやビデオ機器を一斉に構えて、撮影の嵐となった。

老徐は笑顔で皆に会釈し、それから陳志敏の前に歩み寄った。

陳隊長は今、満面の笑みを浮かべていた。老徐が近づいてくるのを見て、初対面ながら、彼は老徐が非常に手強い人物だと感じた。こんな状況でも平然としており、少しも動揺した様子がない。こういう人物は、並の者ではない。考えてみれば、...