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88話

クローゼットを出ると、まだ頭の中はメイの言葉でいっぱいだった。彼女の言うことを信じたいと思う一方で、それが本当なら、両親はもっと早く変われたのに、単に変わりたくなかっただけだと認めるのは辛いことだ。

私を取り巻く苦しい曖昧さから解放されるために、昔の自分の部屋を歩き回る。壁のポスターや、今でも捨てる勇気が持てないおもちゃや置物を眺める。好みは変わっても、変わらないものもある。

壁に貼られた数々のジミンのポスターがそれを証明している。彼は今でも私の夢の中の人で、アイドルに夢中だった十代のハナから何も変わっていない。

本棚の本を見る。ほこりをかぶっているものもあるが、まだよく保存されていて、...