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86話

私は慎重に階段を下り、自分や他の人に事故を起こさないよう、一人で荷物を持ちながら一段一段に注意を払う。一晩泊めてくれたあまり感じの良くない女性に簡単に別れを告げる。

早い出発について尋ねられた時、私は個人的な問題があると彼女に伝えた。彼女は興味がなさそうだったので、私が立ち去る理由について深く追求しなかった。しかし、私の隣で他の宿泊客もチェックアウトしていたため、彼女はもう一人の客を失うことに悲しそうな様子だった。

私はローマの街を、憂鬱でノスタルジックな気持ちで歩き続けた。ここでは激しいロマンスや喜び、幸福、そして深い愛を経験した。こんな経験をするとは思ってもみなかったことだ。しかし、私...