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85話

病院の環境は、これまで歓迎的な雰囲気とは無縁だった。そして今、私の周りで終わりなく鳴り続ける機械の音を聞きながら、その不快な感覚が時間とともに悪化していると感じる。

凍えるような空気で私の指先は紫色に変わり、なぜ受付がこんなに空いているのか理解できない。部屋は暗く、それがすべてを恐ろしく見せている。そして突然、意識の閃きで、何が起きているのか疑問に思う。

私に答えたり説明してくれる人は誰もおらず、寒さが体中に広がっていく。恐怖を感じ、ただこれが止むことを願うばかりだ。

私は空っぽで不気味なほど暗い廊下を歩き続け、一つ一つの空の部屋を見ていく。そこには生きた魂一つない静かなベッドがある。

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