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69話

カイデンは、私が彼のものだと言うよう求めてくる。その声には強い欲望と渇望が籠もっていて、私は一分前に不平を言っていたことなど全て忘れてしまう。

彼は私にあまりにも近すぎて集中できない。しかも上半身は裸で、彫刻のような腹筋が目の前に完璧に広がり、罪深いほどに私を誘惑している。

抗えず、私はつま先立ちで彼に近づき、キスをして、私たち二人の間の隙間を埋める。

私の腕が彼の首に巻きつくと、彼はすぐに暖かさと欲望のコクーンのように、腕で私を包み込む。

そのキスは激しく、熱く、切実だった。予想外だったけれど、同時に私たちが望んでいたすべてのようにも思える。

このキスだけでは、彼の肌に密着したいと...