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116話

ケイデン

このクソ野郎の厚かましさときたら!

俺は自分のメイトの手を腰から離し、彼女を少し押しやる。今の俺の側にいるのは彼女にとって安全じゃない。

彼女が傷つくだけだ。

このクソ野郎にはうんざりだ。

戦いが欲しいのか?それなら望み通りの戦いを見せてやる!

俺は彼に向かって素早く動き、奴が身を守る間もなく、拳の力を気にせず顔面に殴りつける。

奴の顔が急に横を向き、口から血が出るのを見る前に血の臭いを嗅ぎ取る。

リングの向こう側でケイティーが息を呑み、両手で口を覆い驚いているが、この戦いに介入しないほうがいいと彼女は知っている。

チャドは俺の一撃で怯むと思ったが、奴は手で口の血を拭い...