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30話

(ホープ視点)

それは小さな本だった。私はもっと分厚い本を一、二時間で読み終えたことがある。今回も変わらないだろうと自信があった。最初の章は、閉ざされた空間に守護の呪文を置く方法についての教えだった。まあ、この部屋で練習してみるのもいいだろう。

浴槽に浸かっている間に襲われたことを考えると、バスルームには守護の呪文が必要だと判断した。呪文を暗記し、手の動きを練習したので、あとは自分の中心からエネルギーを引き出して、それらを組み合わせることに集中するだけだった。杖を振り回して、レヴィオーサのような簡単な一語の呪文を唱えるほうが楽だろうなとも思った。

うまくいけば、私の前に緑色の光が現れて、...