銀のホープ

銀のホープ

Author: Sheila

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Introduction

私はネックレスに触れた。実の両親のことは何も分からない。このネックレスだけが形見として残されている。ペンダントは三日月の形で、その先端には星があり、中心にダイヤモンドが埋め込まれている。表面には読めない文字が刻まれている。このペンダントと同じように、私の腰には三日月と星の形をした痣がある。母は、ほとんどの痣と同じように、時間と共に消えるかもしれないと言った。でも私の痣は年々くっきりとしてきているような気がする。時々、キラキラと輝いているような気さえする。
突然、風が強くなり、私の周りを舞い始めた。その時、私はその香りを嗅いだ。新鮮な刈り取られた草と木屑の香り。大好きな二つの香り。
「その香りが分かるかしら、私の子よ?それを追いなさい」女性の声が聞こえた。
私はそこに座ったまま、迷っていた。初めて声が聞こえた時、母は驚いて心配した。声が聞こえるのは良い兆候ではないと言って、精神科医に診てもらおうとした。私は声に導かれて行動していると説明した。母は「分かったわ。でも、その声に言われたことをする前に、よく考えてからにしなさい。そして、もし対処できないと感じたら、専門家に診てもらえるように私に言いなさい」と言った。今のところ、聞こえる声に従って困ったことは一度もない。だから、この香りを追ってみてもいいんじゃないだろうか?風が再び強くなると、私は柵から飛び降り、その香りを追いかけた。
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