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21話

(ローグ卿の視点)

あまりにも痛かった。背中に刺さった銀が内部で焼けるように音を立てていた。息をするたびにその感覚がした。誰かにこれを取り出してもらわないと、このままでは死んでしまう。

「閣下、じっとしていてください。銀の破片を取り出せるよう、刺し傷を広げる切開をします。痛みを和らげる麻酔を打ちましょう」と執事が言った。

「早くしろ!焼けるように痛い!」私は苦悶の声を上げた。

地獄の業火に焼かれろ、アデラの娘め。月の女神よ、お前は何て残酷な女だ。永遠に怪物として生きなければならないというのに、今度はこれか?銀の牙を持つ狼だと?こんな痛みは初めてだ。ジュリアが死んだとき以来だ。あの時は誰...