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132話

(アメリー視点)

すでに夕暮れ時だった。冬至の満月が昇り、ブラッドムーンが始まろうとしていた。ホープはすでに12時間以上陣痛が続いている。マークがここに来ているということは、ジャックとアーサーがすでに病院にいるということだ。医師がホープの陣痛が始まったと言った時に行くべきだった。どうして私にわかったはずがあろう?

シートベルトを締めると、マークはアクセルを踏み込み、ダークムーン領地を出て私を病院へと急いだ。振り返ると、ハワードとダイアンが屋敷の前に立ち、私たちが走り去るのを見送っていた。さよならを言う余裕すらなかったことに申し訳なさを感じたが、彼らは私の急ぎを理解してくれているはずだ。

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