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第154話

ブレイク

レッド・ムーンを離れるのは現実のことだったが、そこを去ることができて嬉しかった。イジーと一緒になり、アリーに会えるのが待ちきれなかった。

デールが運転し、後部座席ではイジーが私の肩にもたれかかっていた。

帰路は静かだったが、そう長くもなかった。気がつけば自分たちのパックに戻っていた。

パックハウスに車を停めると、両親が階段で私たちを待っていた。父を見つめずにはいられなかった。イジーが昨夜、母がパックを引き継いだと教えてくれたが、それは父を喜ばせなかったらしい。思わず薄笑いを浮かべてしまった。

父はパックを支配していたが、長老の言うことを聞き、信じることでそれを台無しにした。...