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第115話

アーチャーと手をつないで医者が指し示した部屋へと向かう。

母に会うという考えが私の心をさらに曇らせ、父の死で母が心を痛めているだろうと思うと、私にとってはなおさら辛いことだった。

伴侶を失った人々は、二つの道のどちらかを進むことになる。一つ目は、悲しみのあまりもう一方の伴侶も死んでしまうというもの。二つ目は生き続けるものの、愛した人、魂の伴侶だった人がいないことを知りながら、前に進む道を見つけなければならず、さもなければかつての自分の抜け殻になってしまうというものだ。母が何を選ぶか考えるのは辛い。私は母に傍にいてほしいけれど、母が自分の抜け殻になってほしくはない。

それを考えるだけで胸が...