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第42話

シドニアは肩をすくめて仰向けになった。「彼に聞いてみたら?」

「え?」

「彼に聞いてごらん。ヴォディンゴは、イカロが会話を避けるタイプではないって言ってたわ。知りたいことがあるなら、直接彼に聞けばいい。あなたが赤ん坊の頃から彼があなたを妻として考えていたことについても、聞いてみたら?」

「そうね…」

「ゾーラ、彼があなたの望んでいた相手じゃないことはわかってるわ。もし逃げ道があるなら、そうするよう勧めるけど、それはないと思うの。それに、本当に私たちが危険な状況にあるとは思えないわ。あの夜、教会に遅くまで残って愛を祈った祈りが叶ったんじゃないかって思えてならないの」

「シドニア、そんなに早く効く...