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第96話

ドモニック

エミリーの匂いを森の中で半日ほど追跡した後、ついに川で彼女の痕跡を見失った。私たち四人は対岸を隈なく探し、彼女を連れ去った者が上流から向こう側に出たかもしれないと期待していたが、今のところその仮説は成果を上げていなかった。コーダは必死になり、動きには焦りが見えた。彼は一度落ち着く必要があったが、それを言うのは私ではないだろう。木々が生い茂る丘の頂上に近づいた私は人間の姿に戻り、仲間たちに注意を促すために周囲を見渡した。

「止まれ」と私は静かに言った。彼らは一人ずつ私の周りに集まり、人間の姿に戻っていった。しかしコーダだけは狼の姿のままだった。滝の流れる急流を見上げると、...