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第四百四章

『あのクソ野郎。私の口を汚させやがって』

エレベーターからロビーへと転がり出るようにしながら、私は思う。

『ほら、まただわ!』

『なんてヤツ!』

でも、腹が立っているし、自分を尊重するなら、彼が約束通りに姿を消すに任せるか、さもなければ彼が自分で招いたと〝主張〟する不幸のどん底にでも沈ませておくべきだと分かっている。それなのに、彼に行ってほしくないのなら――絶対に、行ってほしくなんかないのだから――彼が姿を消す前に捕まえるには急がなければいけないということも、私は分かっているのだ。

『情けないのは分かってる。でも、グリフィンが少年から大人になるまでずっと彼を愛してきたのだ。彼とのどんな僅か...