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第三百七十七章

グリフィン

すべてが終わった今、吐き気がするが、メイヴの咎めるような一瞥で、吐いてはいけないと悟る。吐き気と、突然襲ってきたズキズキする頭痛以外は、ちっとも変化を感じない。

俺がこめかみを宥めるように円を描きながら揉んでいると、テーブルの向こうからメイヴが俺を見つめている。頭痛なんてものは、俺たちシフターには馴染みのないものだ。病気になることもない。長引く病にかかることもない。この痛み。俺にしてみれば強烈だが、人間の基準で言えば、もしかしたら平均的なのかもしれない。

「くそっ」俺が呟くと、メイヴは笑った。

「すぐに治まるわ。少し待って」彼女が目を閉じると、突然、俺の体がぐっと引...