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第三百五十二章

「ケンダル」

満タンの膀胱で目覚めるのは、普段なら私にとって悲惨な経験だ。私のトレーラーは夜中になると凍えるように寒くなり、トイレの便座という名の凍てついた玉座に裸のお尻を下ろす頃には、凍傷を防ぐほどの毛布は決して足りない。でも今夜は違う。最初はそれに全く気づかなかった。だから、私は布団を投げ捨て、ベッドの右側へと急いだ。習慣から震え上がりながら、見知らぬクローゼットの暗闇に飛び込み、あわや床におしっこをするところだった。

「あっ、やばい!」

「ここはどこ?」

ドア越しに外を覗くと、ガラスの向こうで無限の白いノイズを轟かせながら渦巻く嵐が見える。そこでようやく、なぜ本当に震えていないの...