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第三百三十九章

著者からの警告: 以下の章は読者を動揺させる可能性があります。怖がりやすい方や悪夢を見やすい方は、この章を飛ばすことをお勧めします。個人的には怖いとは思いませんが、人それぞれ感じ方が違うことを理解していますので、警告しておきます。

アナスタシア

*暗闇のフレンチ・クォーターを歩いている。通りは絶えず渦巻く霧の運河だ。深く濃い霧の雲が私の足元を取り巻き、一歩一歩が大地を打つ槌の音のように響く。街灯が明るく灯り、漆黒の空に浮かぶように見える不気味なオレンジ色の光で通りを縁取っている。星の光一つ残らない真っ黒な空だ。空気は凍えるように冷たく、魔法の臭いが風に乗って鋭く酸っ...