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第322話

ケンダル

レストランの外に出ると、ティモンズに見せつけるように腰を揺らしながら、その唇に浮かぶ微かな笑みを浮かべて彼のカマロに向かって颯爽と歩く。彼の視線を感じながら歩く姿は、自然と艶めかしさを帯び、まるで夢のよう。そう、少し大げさに尻を振っているかもしれないけど、どうでもいいわ。彼の視線を独り占めしたいし、そんな歩き方で彼の注目を引けるなら、ベティ・ブープと呼ばれてもいい。

彼を信じ始めている。

彼が言う小さなことすべてを信じ始めている。

馬鹿げてる?たぶん。でも仕方ない。彼が欲しいし、突き放そうとしても、結局は彼に屈すると分かっていた。

ティモンズが望むなら、彼がアプローチしてこ...