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第287話

ローズ

私がバートレットの携帯を持って階下に忍び込んだとき、彼は身動きひとつせず、そのことに感謝した。夜明けが地平線に差し掛かり、私たちは一晩中愛し合っていたので、彼は深い眠りについているはずだ。家中が静まり返っているが、当初計画していたように外には出ない。アラームシステムが作動するのではないかと恐れているからだ。バートレットは電子キーに私を登録してくれたけれど、まだ完全にその仕組みを理解していないので、家の中にいることにした。

周りを素早く見回してから、深呼吸して兄のローゼンに電話をかける。

「ロージー!やあ…」兄は半分も呼び出し音が鳴らないうちに出た。朝早すぎるのに起きている...