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第260話

ローズ

バートレットの携帯を掴んで森の中へ彼を追いかけたけれど、見つからなかった。兄に電話をかけたものの、すでに遅すぎたことがわかった。

両親が彼を捕まえていた。

エルダー・フューが彼を捕らえていた。

そして今…私は戻らなければならない。

バートレットに何を言えばいいのかもわからないし、胸の痛みは一向に和らぐ気配がない。

森を踏みしめながら向こうに聳え立つ大きな家に向かって戻っていくと、声が私を呼んだ。

「ローズ」

森の縁、光と闇が交わる場所にティモンズ副保安官が立っていた。彼に近づきながら、笑うべきか叫ぶべきかわからず、ただ頷くだけだった。

「こうした方がいいんだ」と彼は言う。「こ...