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第210話

「あれが、兄さんが話していた橋に違いない」私は高い草の上からかろうじて見える木造の構造物の頂点を指差して叫ぶ。

「どこ?」デリラは苛立ちを露わにして言い返す。

「あそこよ!」私は大きな木立と、ギザギザの谷の崖のように見えるものを指さす。「森の向こうにあるの。カモフラージュされてるのよ」

「じゃあ、彼が言ってた道は見える?」彼女は一本道の脇に車を寄せ、地平線に昇りつつある太陽から目を守るように手をかざして尋ねる。「だって私には何も見えないわ。どうしてあなたの窓はスモーク加工されてないの???みんな窓をスモークするでしょ!そうじゃない?」

私はクスクス笑いながら、センターコンソールから...