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第20話

ドレイヴン

霧に包まれた松林の中を漂っているような感覚で目を覚ました。薄暗い部屋の中、香りのついたキャンドルの灯りだけが空間を照らしている。

最後に覚えていることを思い返す。ドモニックのソファで、彼の腕に抱かれていたこと。見下ろすと、私はまだ完全に服を着たままだが、柔らかい毛皮のブランケットにブリトーのように包まれていて、もう彼の腕の中にはいない。

ドモニックの部屋にいる。

でも彼はどこ?

開いたドアから声が聞こえてくる。できるだけ静かに立ち上がり、その声のする方へと向かう。

「彼女に義父のことを話させるよう試みるべきだ」と、二階の廊下に入ると、ポールの声が漂ってきた。

な...