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第177話

クイン

「チャーリー?冗談じゃないよな」

私は席に座ったまま、デリラが小さな人だかりを押しのけていくのを見ている。彼女は強引に進み、「すみません」の一言さえ言わずに、レストランの奥の角へと向かっていく。彼女は背筋を伸ばし、隅のブースの前で立ち止まる。そこには私と同年代くらいの男が座っている。最初、彼女はただ彼を見つめているだけだが、彼女が緊張しているのがわかる。そしてその小さな細部が、認めたくないほど私を苛立たせる。そんな風に緊張するのは、相手を大切に思っているときだけだ。私にはわかる、私が彼女を見るときに感じるのがまさにそれだから。突然、とてもとても気分が悪くなる。

「バーガーを...