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第176話

デリラ

テーブルを待っている二、三人の客を急いで通り過ぎ、二十ポンドはありそうなホステスの睨みを無視して、私は窓際の角のブースへまっすぐ向かう。近づくにつれて、足取りが鈍る。確かにチャーリーだけど、今朝見せたような興奮した様子はまったくない。実際、完全に憂鬱そうだ。湯気の立つコーヒーカップの前に座り、今にも泣き出しそうな顔をしている。そしてケインはいったいどこなんだ? あの二人がいつも離れるのはトイレに行くときだけなのに。

もしあの老いぼれたちが彼を傷つけたら?もしケインがここにいられないのは、彼が...

*やめろデル、やめるんだ。もし彼が死んでいたら、あなたはそれを感じ...