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第165話

デリラ

マキシマスと一緒に新品のジープに座り、「ブラックジャックを出ます」と書かれた看板を通り過ぎると、ほっと一息ついた。まだ乗り始めて間もなく、ほんの数分だけど、この場所を離れるという確認だけで神経が和らぐ。

口の中にトゥインキーの半分を入れながら、運転する彼を観察する。彼はまだ上半身裸のままだ。小川の「高級な」側にあるキャビンを管理している誰かからこのジープを拝借したにも関わらず。なぜシャツまで用意してくれなかったのだろう、と思う...トゥインキーをもう一口かじりながら、彼が隣に座っている今、どれだけ大きく見えるかに驚嘆する。きっと重量挙げでもやっているのだろう。見るところすべ...