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第16話

ドレイヴン

「な・ん・だ・と?」ポールは眉をひそめる。それから私の方を向いて言う。「君たち二人の間に何かあるのか?」

私は肩をすくめる。「キスはしたけど、彼は私のことが好きじゃないって言い続けているから—」

ポールの目が大きく見開かれる。「待って!彼が君にキスしたのか?」

私はうなずき、唇を噛む。「うん。それって悪いこと?」

彼はすぐには答えず、ただもう一杯のワインを注ぐ。「まだわからないな」

「不快にさせてごめん。帰りたいなら、理解するよ」

彼は私をじっと見つめ、その視線の奥で奇妙な種類の認識が葛藤している。「彼は君が先日バーに入ってきた時から変な行動をしているんだ」

私は笑う。「...