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第12話

ドレイブン

もう閉店時間だったのに、まだドモニックの姿は見えなかった。別に来ると期待していたわけじゃないけど。来てほしいとは思っていたけど、それはもちろん別問題。つまり、バーで会えるかもって言ったけど、はっきりとした誘いじゃなかったから、拗ねるつもりもなかった。

「彼は来るよ」バートはクスクス笑いながら、カウンターを最後に拭いた。

私は知らないふりをした。「誰が来るって?」

「ハッ!あんたが来た時からずっと目を輝かせてたじゃないか。ドアが開くたびに警戒してたよ」

私はチップを数えながらクスッと笑った。「目を輝かせてたのは、昨夜600ドル以上稼いだからよ。もっと稼げるかなって期待...