スピード婚の相手は社長である

第45章 家族を探す進展があった

「両親を見つけたの？」

「うん」

星野遥の顔には笑みが溢れていた。

「拓海、あの時の雲南山誘拐事件のこと、覚えてる？」

そう言いながら、星野遥の瞳が揺らめいた。残念ながら、井上拓海はひどい頭痛に苦しんでおり、彼女の様子の異変に気づかなかった。

「覚えてるよ」

「あの時、あなたを助けた後、あなたの家族はすぐに病院へ連れて行ったでしょ。私は住む場所がなくて、雲南山孤児院に行ったの。ある時、高熱を出して、目が覚めたら以前のことが何も思い出せなくなってたの」

「それが、こんなに長い年月が経っても、私の家族はなんとか私を見つけてくれた。数日前にやっと再会できたの」

「そうか……」

井...