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第42章 正直じゃないから

井上拓海は終始頭がぼうっとしていたが、彼には強い忍耐力があり、何事もないかのように振る舞っていた。

女王と白川由紀子の会話は、実際のところ井上拓海の耳には一言も入ってこなかった。

白川由紀子は女王の招待に対して、思わず井上拓海の方を見やった。

女王は言った。「この宴会には女性だけをお招きしているの。男性は入れないから、心配しないで」

「井上奥さん、ずっと井上さんを見つめているようだけど、もしかして離れたくないのかしら?」

白川由紀子は干笑いして答えた。「陛下のご招待を受けられるなんて、私の光栄です。今晩の宴会に参加させていただきます」

それに男性のいない宴会なら、何も変なことは起...