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第37章 全て本物

白川由紀子は堂々とした態度で話し、彼らの思っていた田舎娘の印象とは全く異なっていた。

ただ、これは……

野口伊織は冷笑した。「井上家はそれなりの名門なのに、こんな物を持ってくるとは?」

白川由紀子は目を細めて微笑んだ。「おばさま、開けてご覧になりませんか?」

野口伊織は全く気にしていなかった。こんな普通の木箱、見ただけで大したものが入っていないことは明らかで、見る価値もないと思っていた。

しかし井上のおじいさんとおばあさんは場を取り繕うために木箱を開けた。中には一幅の巻物が入っていた。

巻物を広げると、古風な雰囲気が漂い、井上のおじいさんは絵の内容を見て目を見開いた。

「これは...