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第4章

絵里視点

緑のフィールドに、真昼の太陽が惜しみなく光を降り注いでいた。バットがボールを捉えるたび、スタンドを埋め尽くした観衆から割れんばかりの歓声が上がる。私は学生席の一角に座り、マウンドに立つ白いユニフォーム姿の彼に、ただひたすら視線を奪われていた。

和也は、我が大学が誇る野球部のエース投手。右腕から繰り出されるストレートは、まるでマウンドから閃光が走ったかのようだった。

「見て、あの投球フォーム!」隣で中村美咲が興奮気味に私の肩を揺さぶった。「もう、絵里の彼氏、かっこよすぎじゃない?」

マウンドで投球する彼に、私は完全に魅せられていた。彼の一球一球に、私の心臓も呼応するよう...