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第7章
「今夜はずいぶん疲れてるみたいだね」和也は湯気の立つマグカップを手に、私たちの寝室に入ってきた。「蜂蜜入りのホットミルク、作ったよ。これでよく眠れるはずだ」
その声はとても優しく、心から心配しているようだった。これが三日前だったら、私は彼の思いやりに心を溶かしていただろう。でも今なら、彼が何をしようとしているのか、はっきりとわかる。
『私を泥のように眠らせて、あのビッチと二人でイチャイチャとするつもりなんでしょ』
「ありがとう、優しいのね」私は両手でマグカップを受け取った。ミルクは温かく、確かに蜂蜜の味がした。それに加えて、何か別の味がする。彼が隠そうとした、わずかな苦み。
『本...