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第3章

それから数日間、奇妙な静けさと緊張感が同居する日々が過ぎていった。ドアを叩く借金取りも、脅迫めいた電話もない。何ヶ月かぶりに、日付が変わる前に家に帰れるようになったのだ。

私が部屋に入ると、和也はまだソファで倒れ込むように寝ていた。ドアが閉まるカチリという乾いた音に、かろうじて顔を上げるだけだった。

私はリュックを下ろし、大学の保健室でもらってきた薬を取り出した。抗炎症スプレーと、看護師に「スポーツでの怪我」だと嘘をついてなんとかもらった抗生物質だ。

「……なんだ、そりゃ」

寝起きのしゃがれた声が飛んできた。

「腫れに効く薬」私はそう言って、コーヒーテーブルの上にボトルを置...