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何かを隠す

第八十五章 – 何かを隠して

クリス視点

女衛兵が持っていた巻物は、ブルーブルームのアルファからのものだった。ローガンからも似たような手紙を受け取っていた。そして彼は、妹を救ってくれと俺に懇願していたのだ。

ずいぶんと身勝手な言い分だ。あるいは、俺のことをそれほど高く買っているのかもしれない。馬車が石に乗り上げて揺れるたび、俺はこめかみをもんだ。

シルバーパックへ行くのに馬車を選んだのは、馬で行くよりは良い判断だった。ローガンの手紙を、暗唱できるほど何度も何度も読み返した。

「本当にライカンからのものだと確信しているのか?」俺が何分もそれを繰り返しているのを聞いて、エドウィンが尋ねた。

俺は...