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トゥー・シルバー・ウルブズ

第二十一章 – 二匹の銀狼

ジェイデン視点

記録簿のページをぱらぱらとめくった。

そこにはレッドムーンの多くの功績が記されていた――彼らが受けるに値しない功績が。

五つの群れの結束の象徴として、周囲に巨大な壁を独力で築いた? それはクリスがキングになった時の彼らのプロジェクトだったはずだ。

だが真実は、レッドムーンが小規模な群れを襲撃し、そこの男たちに強制的に壁を建設させたのだ。書類に記載されている名前はすべてオメガのものだった。

オメガがそのような作業を行えないことは、どの狼も知っている――それは群れの戦士たちの仕事であり、王族の義務でもある。

別のページをめくると、ブルーファイアの群...