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第81章:後戻りはできない

サマー視点

ブランドンの唇が、私の知る彼とはまるで違う優しさで、私の唇に重ねられた。私の手は震えながら、最初はおずおずと、でも彼がキスを深めるにつれて大胆に、その肩へと伸びていった。

ようやく唇が離れたとき、私は息を切らし、彼の首にしがみつきながら額を彼のそれに預けていた。心臓が肋骨を激しく叩いていた。

私は彼に抱き寄せられ、両手を彼の胸に当て、耳をその心臓に押し当てた。何もかもが制御不能に陥りそうな中で、その規則正しい鼓動が私を落ち着かせてくれた。

「血が出てるわ」彼の口の端に小さな切り傷があるのに気づき、私は呟いた。

それに触れようと手を伸ばすと、ブランドンはその手を掴ん...