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271話

ブランドン視点

うとうとしかけていた。サマーが俺の胸に心地よさそうに身を寄せている。その時、ナイトスタンドの上の携帯が振動した。彼女を起こさないように注意しながら手を伸ばし、画面を確認する。ショーンからだった。こんな時間に、いい知らせのはずがない。

「エル・シンクレアが発作を起こした!」挨拶もなしに、彼の声がすぐに聞こえてきた。

俺の目はカッと見開かれ、冷たいほどの明晰さが全身を駆け巡った。眠っているサマーの体からそっと身を離し、彼女に掛け布団をかけ直してやってから、静かにベッドを抜け出した。彼女は少し身じろぎしたが、目を覚ますことはなかった。俺は廊下の先にある書斎へと静かに向か...