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218話

サマー視点

私は凍りついた。思わずハンドバッグに手を伸ばしていた。『520? それって、私の番号じゃない?』留め具をもどかしく弄りながら、中身を必死にかき回す。リップスティック、携帯、鍵……あの忌々しい札はどこ?

ボールルームは完全に静まり返っていた。部屋の向こうでは、ヴィクトリアとビアンカが必死に自分の番号札を確認しているのが見えたが、自分たちが幸運の持ち主でないと気づくと、がっかりした表情を浮かべていた。

突然、ステージ近くで騒ぎが起こった。エル・シンクレアがブランドンの手から赤い札をひったくるようにして、ほとんど飛びかからんばかりの勢いだった。彼女の顔は信じられないといっ...