サマー・テイラーの人生は、婚約者が実の妹と裏切っていたことを知ったときに、根底から覆された。さらに彼女を苦しめるかのように、家族は彼女に薬を盛り、二億ドルの投資と引き換えに見知らぬ男のベッドへと送り込んだのだ。だが、ブランドンが闇の天使のように現れ、彼女を救った。媚薬が全身を駆け巡る中、彼は彼女を腕に抱きかかえ、安全な場所へと運んだ。

ブランドンが彼女を車に乗せると、サマーの彷徨う手は燃えるような熱から逃れようと救いを求めた。接触する箇所すべて――彼の胸に押し付けられた彼女の乳房、彼の太腿に擦り付けられる濡れた秘部――から、生々しい、痺れるような飢餓感がほとばしった。

「やめろ」ブランドンは命じたが、彼女はさらに身を弓なりに寄せるだけだった。

「熱いの」彼女は唇を尖らせ、彼に身を捩りながら訴えた。探る指が下へと滑り、彼のズボンを押し上げる太く硬い膨らみを掌でまさぐると、彼女の腰が突き上げられた。彼が鋭く息を呑む音が彼女を煽り、からかうような愛撫に彼の硬いものがぴくりと震えると、彼の手首を掴む彼の力は、優しくありながらも、より固く握りしめられた。

彼の警告を無視し、彼女は彼の首筋に顔を埋め、強く吸い付いた。乱れた熱いキスを彼の顎へと這わせながら、濡れた赤い痕を残していく。

彼の耳たぶを歯の間に捉え、噛みしめると、蜜の滴る場所をさらに強く彼に押し付け、彼の荒い喘ぎ声に歓喜した。彼の手が彼女の腰を掴み、指が肉に食い込んだ。彼女を突き放すか、自身の疼く屹立へとさらに強く引き寄せるか、その間で葛藤するように。

電撃的な一瞬、彼は屈した。彼の唇が彼女の唇に激しく重なり、舌が深く彼女の口内を侵し、ゆっくりと念入りな動きで掻き回した。彼女は彼の口の中に喘ぎ声を漏らし、秘部がきゅっと収縮するのを感じながら、解放を求めて彼の太腿に自身をさらに強く擦り付けた。

―――

しかし、ブランドンもまた、彼女にとっては見知らぬ男同然だ。正気に戻った後、彼女は自問せざるを得なかった。一つの罠から逃れたと思ったら、自ら進んで別の罠に足を踏み入れてしまったのだろうか？


億万長者の突然の花嫁


**サマー視点**
寝室のアームチェアに深く身を沈め、セーターをきつく引き寄せた。小説に集中しようとしたけれど、文字がぼやけてしまう。
ヘビ事件から二週間。ブランドンは過保護な保護者みたいになっていた。家事はひとつだってさせてくれない――食洗機に皿を入れることさえも。汚れたお皿に手を伸ばすたびに、ブランドンがどこからともなく現れて、それを私の手から取り上げ、あの有無を言わせぬような視線を向けてくるのだ。
自分が役立たずに感じた。そして最悪なことに、甘やかされるのが心地よくなり始めていた。
時計はもうすぐ午前零時を指そうとしていた。ブランドンはいつものように、まだ書斎で仕事をしている。...

113話