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第646話お菓子が食べたい

突然立ち止まったウィノナを見て、マイケルが不思議そうに尋ねた。「おい、どうしたんだ?」

彼女はすぐには答えず、少し身を乗り出して、さりげなく空中の匂いを嗅いだ。鼻についたのは、ありふれたコロンの香りだけだった。

ウィノナは鼻をこすり、気のせいだと思った。以前どこでその香りを嗅いだのか思い出せなかったので、それ以上深く考えるのはやめた。

彼女はカップを受け取ると、言い訳を口にした。「なんでもないわ。今朝、朝食を抜いたから、ちょっと血糖値が下がったのかも。さっき少しめまいがしたの」

そう言いながら、彼女は引き出しからキャンディーを一つ取り出し、包み紙を剥がして口に入れようとした。その時、マ...