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第607話キスは大したことじゃない

ザカリーは言い訳がましく呟いた。「先にキスしたのは君の方だろ」

彼も我慢できなかったのだ。

その夜、彼はウィノナを家まで送るはずだったが、サリバン家との彼女の状況を知っていたため、誰かが彼女の酔った姿を見たら、彼女に辛く当たるだろうと心配した。だから、彼は代わりに彼女をホテルへ連れて行くことにしたのだ。

ウィノナをベッドに寝かせた後、ザカリーは視線を落とし、その目は彼女の繊細な顔立ちに注がれた。アルコールのせいで潤んだ瞳と紅潮した頬に、彼は一瞬我を忘れた。彼が我に返った時には、ウィノナの腕はすでに彼の首に回されていたのだ。

ウィノナの目は半分閉じられ、その輝く瞳は星のようにきらめいてい...