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426話

二人は向かい合って立ち、ウィノナはニコラスのコロンの香りをかすかに嗅ぎ取った。ザカリーは決してコロンなどつけなかった。彼の香りはいつもクローゼットのお香からくるものだった。

彼女は見上げ、ニコラスの視線と合わせた。最初は七、八割似ていると思ったが、間近で見ると、服装や態度の違いという邪魔なものがなくなり、彼らの顔はほとんど瓜二つだった。

ウィノナはそのハンサムな顔を見つめ、思わず手を伸ばし、彼のおでこにかかった髪を払いそうになった。

だが、彼女の指が彼の顔に触れる前に、ニコラスは彼女の手を掴み、言った。「サリバンさん」

ニコラスの喉仏が上下し、声は低く、かすれていた。「私はニコラスです...