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第7章

この知らせで部屋の中の三人はみな一瞬固まった。

「客間で待たせて」北野紗良は平静に言った。

メイドが退出すると、中島由美子の表情はたちまち和やかになった。「紗良、長谷川社長がわざわざ訪ねてくださるなんて、北野家に十分な面目を与えてくださっているのよ。もう我儘言わないで、長谷川社長にきちんと話しなさい」

北野紗良は継母のこの偽善的な態度を冷ややかな目で見つめ、何も言わずに部屋を出た。

長谷川冬馬は客間の中央に立ち、黒いスーツに身を包み、強大で冷厳なオーラを放っていた。

北野紗良が階段を降りてくるのを見ると、彼の視線が一瞬彼女の姿に留まった。彼女がすでに自分らしい服装に戻していることに...