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第45章

この親密な姿勢は、明らかに所有権の公然たる宣言だった。

長谷川冬馬の視線が、藤原光司が北野紗良の肩に回した腕を刃物のように切り裂いた。「藤原光司、これは俺と彼女の問題だ。お前が口を挟む余地はない」

「そうかな?」

藤原光司は眉をひとつ上げ、眼鏡の奥の眼差しには遊び心が宿っていた。彼は腕の中の北野紗良を見下ろし、明らかに親密さを滲ませた口調で言った。「紗良は今、私の同盟者だ。どうだろう、口を挟む余地があるとは思わないか?」

彼はわざと「同盟者」という言葉に重みを持たせたが、その眼差しは恋人を見るかのように優しかった。

北野紗良は身をよじらせるどころか、むしろ藤原光司の方へと身を寄せた...