令嬢の私、婚約破棄からやり直します

第4章

「私は、こんなにも確信したことはない」

北野紗良は冷笑した。「長谷川冬馬が私に負った借りは、今生では返し切れない」

伊藤美結は長い沈黙の後、ようやくため息をついた。「わかったわ。決めたなら、私が手伝うよ。でも紗良、気をつけて。長谷川家は敵に回すべき相手じゃない」

「知ってる」北野紗良は燃え尽きかけた炎を見つめ、その瞳に一筋の冷たい光が走った。「でも今回は、彼らが間違った相手に喧嘩を売ったのよ」

電話を切ると、北野紗良は裏庭の冷たい石のベンチに腰を下ろした。

夜風が彼女の長い髪を揺らし、胸の内にあった鬱屈も同時に吹き散らしていった。

彼女はようやく本当の自分に戻ることができる。長谷...